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雨漏り診断士の試験問題と難易度について

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■玉石混交だった雨漏り診断

雨漏り診断士も建築にまつわる資格の一つですが、おそらく多くの人は聞いたことがないのではないかと思います。雨漏りはいつもどこかで起こっているので、雨漏りの診断も発達しているように思われるかもしれませんが、実際にはプロから素人同然の業者まで存在する、玉石混交のジャンルです。

実は、雨漏りの診断は簡単にできることもありますが、原因の特定が大変難しいことも多いのです。木造軸組工法、プレハブ工法、鉄筋コンクリート造り、ツーバイフォー工法、重量鉄骨造りなど、日本の建築物には様々な工法があります。これほど多くの工法が存在するのは、世界中を見回しても日本だけだと言われています。

建築様式から見ても、一戸建て、長屋、アパート、マンションなど、それぞれに特徴がありますよね。すると、雨漏りの原因も「穴が空いたから水が漏る」というような単純なものばかりでなく、様々なバリエーションが存在することになります。

従来の雨漏り診断の多くは、職人さんのような人が雨漏りの様子を見て、「この辺りだろう」と検討をつけて対処をする、というものでした。しかし、例え工事に詳しい人を連れてきたとしても、雨漏りに詳しいとは限りません。過去に経験したことがないタイプの雨漏りの場合は対処が遅れることもあるのです。建物の基本的な役割は雨風をしのぐこと。にもかかわらず、雨漏り対策は後手に回っていたのです。

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■雨漏り診断士は雨漏りのプロ

この事態に対応しようと生まれたのが「雨漏り診断士協会」です。雨漏り診断がピンキリになってしまうのは、雨漏りを真面目に学ぼうと思っても教材も近道もないから。知識も技術も努力と経験次第、しかしそれでは雨漏りを巡る状況は変わりません。この状況を改善するため、雨漏り診断士の資格が誕生したのです。

雨漏り診断士協会では、雨漏りに関する調査研究の他、教育研修やセミナーを定期的に行っています。そして、雨漏り診断士の登録認定制度を設け、建築に携わる技術者の「雨漏りの診断能力の向上」を目指しているのです。

雨漏り診断士資格認定試験の内容は「建築の基礎知識(施工・構造)」「雨仕舞いと防水の基礎知識」「雨漏り診断の実例・実務」となっており、簡単には合格できません。その代わり合格ラインの知識・技能を身につければ、雨漏りに対して包括的に対処する能力をものにできます。

これは従来のように経験に基づく知識だけでなく、様々なケースに対応できる幅広い知識を備えることを意味しています。もちろん実務上の経験も必要になりますし、雨漏りはケースバイケースのことがほとんどですが、雨漏り診断士の資格を持つ人は、持たない人に比べればスタート地点からして違うわけです。

厳しい試験に合格した雨漏り診断士は雨漏りのプロフェッショナルです。実際に雨漏り診断を頼むときは、雨漏り診断士がいるかどうかを目安にしても良いでしょう。

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この記事を書いた人

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